三陸の人たちのバイタリティに触れた旅

ブログ社会制度、インフラ、社会ライフ

先週、短いですがようやく夏休みを取ることができ、三陸海岸地方に行ってきました。この春に三陸鉄道の「リアス線」が全面開通したので、その記念ツアーに参加したのです(正直、国内旅行ツアーというものに個人で参加したことがなかったもので不安でしたが、料理もおいしく、参加者とも話を色々とでき、意外と楽しく過ごすことができました)。

目玉である三陸鉄道の開通部分(釜石-宮古間)は生活路線でもあり、出発の随分前から並んだ観光客(その大半は高齢のおばちゃん)と途中で乗り降りする地元の住民(特に通学に使っている中高生)との会話も聞こえ、ほんわかとしたよいムードでした。

他にも北山崎、浄土ヶ浜、南三陸さんさん商店街、松島湾などに寄り、地元の産物を飲み食いし、土産物を色々と買い込んで帰りました。

行く先々で津波災害からの復興の様子や途中状況、そして震災時の様子をバスガイドの人および地元の語り部ボランティアの人たちからお聞きし、そしてその際の写真や画像を見るにつけ、改めて大変な苦難を乗り越えようとしている三陸の人たちの苦難と悲しみ、そして「がんばっぺ」という気概に触れることができ、感銘を受けることが多かったというのが全般的感想です。

それにしても元の浜辺が防潮壁で覆われ(しかも大半の浜辺では未だに建設途上でした)、ずっと身近にあった海が目隠しされたり、高台に町ごと移設を余儀なくされたり、まったく故郷の町の姿が一変してしまっているのを目の当たりにすることが多く、復興が進むことを素直に喜べない地元の人たちが少なくないと想像できました。

ある地域の巨大な防潮壁には人の目の高さにアクリルでのぞき窓が付いていました。せめてその穴から海を見たいという町の人たちの要望に応えたとの話でしたが、ちょっと切ない気持ちが伝わってきました。

私は昔、東北に5年ほど駐在していたことがあるため、三陸にも何回か寄ったことがあり、震災後は(幾つかの寄付はしましたが)大した恩返しもできない罪悪感をずっと持っていましたが、今回こうした形で寄れたことで、そして今後も東北の産物を折に触れて買うことで、少し肩の荷を下ろせるような気がします。

何といっても東北の人たちのへこたれないバイタリティを私は信じています。