ハロウィン後の掃除をするニッポンの若者を誇りに思う

ブログ社会制度、インフラ、社会ライフ

先日の渋谷でのハロウィンのバカ騒ぎに関する報道を見聞きし、「あーあ、ニッポンも並みの国と同じようになってきたな」と失望した人は多かったのではないでしょうか。小生も同じく、でした。

 

馬鹿げた仮装を事前に色々と工夫して、友達と一緒に街をうろうろと練り歩く。途方もない非生産的な時間を過ごすのも、若いからこそできる「無駄を遊べる」貴重な感覚です。後々になって「馬鹿だよねぇ」と自分たちを笑い飛ばせる、恵まれた先進国の若者の特権です。

 

でも歩行者天国が終わってからも集団で道路の真ん中にたむろし、そこに侵入してきた一般の軽自動車を奪取し(運転手は身の危険を感じて逃げ出していたそうです)、その上に乗ったり周りで煽ったりした挙句、横倒しにして損壊させてしまったのは、酒の上でとはいえ、明らかに迷惑行為であり犯罪です。

 

ちょうど最近の成人式でのバカ騒ぎが他人に迷惑を及ぼすことで人々が眉をひそめるケースが全国で頻発していますが、本質は似ています。酒に酔った挙句、集団でエスカレートして自制を失うパターンです。要は甘えです。

 

成人式の場合は20歳になったばかりなので、社会人経験がなく、酒に飲まれてしまうのはある程度まで「仕方ないねぇ」と許されると当人たちも踏んでいます。

 

渋谷のハロウィンの場合、仮装しているので匿名性がある程度まであり(あくまで当人の認識です。本当のところ犯人は特定できますが)、酒に飲まれて自制心が減退している上に、集団なので「赤信号、皆で渡れば怖くない」という、あの心理です。

 

でもこういうのは、要は普段のうっ憤を八つ当たり的にはらそうとしているだけです。しかも自分が特定されないと思っているから罪のない他人に対し酷いことをやるのですから、かなり卑怯な心理です。どう好意的に解釈しても軽蔑対象でしかありません。

 

と、かなり失望させられたその翌日くらいですか。渋谷でのハロウィンのバカ騒ぎの翌朝、ごみなどで汚れた街を自主的に清掃する仮装した若者の姿がニュースの暇ネタで流れたのは。

 

素朴によかったですね。まさに「捨てる神あれば拾う神あり」です。今のニッポンの若者の中には世界的にいえば希少価値があるほどの素晴らしい人たちがいるということです。世界にもそういう人たちはゼロではありませんが、非常に稀です。

 

大掛かりで目立ち、学校に報告するようなボランティア活動には熱心でも、人の尻拭いをするような地道なボランティア行為には心も体も動かないというのが世界の普通の若者です。

 

でも渋谷でのハロウィンや、サッカー・ワールドカップの会場など、他人がまき散らしたゴミや食い散らかしたファーストフードなどをさらっと片づけて「また来年に遭えるといいね」とエールを交換できる若者たちなんて、世界にはそういませんよ。素敵です。I’m proud of them.です。