インドと日本のパートナーシップに期待したい

グローバル

個人的にインド人の知人やインドと関わりのある知人が増えてきた。仕事の問い合わせもこの1年ではインドからが4割ほどになる。内容は全て面倒で本当の意味ではまだどれも成就していないが、着実に案件は増えている。

そんな中、3月14日に放送された未来世紀ジパングはズバリ『世界経済”希望の星”インドが急接近! 日本の「成長エンジン」へ』と題して、インドと日本の接近具合を伝えてくれた。

BRICSの「最後の希望」と託したのが世界2位、13億人市場を誇るアジアの大国インド。日本企業の進出も加速している。背景にあるのは、日本がこれまで行ってきた数々のプロジェクトの成功と培った”信頼”。日本に今、大きなチャンスが巡ってきているのだ。

番組では面白いものを見せられた。世界遺産タージ・マハルで奮闘する一人の日本人女性の姿だ。日本では定番のご当地お土産を根づかせるプロジェクトをインドで始めたのだ。インドに限らず発展途上国ではなぜか地元名物をお土産品として売るケースが少ない。そこでインド産マンゴー100%で作られた日本品質のお土産用のお菓子を開発したのだ。これはウケるはずだ。

そして地下鉄、デリーメトロ。ホームできちんと整列する乗客の姿にも驚いたが、ホームに引かれたラインに沿って並んでいたのだ。こういう仕掛けも含め、そして女性専用車両や自動改札などのシステムも含め、地下鉄の運営を日本の東京メトロが指導・サポートしてきたのだ。

そして去年12月には、インド初の高速鉄道に日本の新幹線方式の採用が決まった。遡ること4年前からジパング報道担当のカメラは、日本の新幹線を視察に来たインド国鉄の幹部たちを独占取材していた。今月開業する北海道新幹線が走る青函トンネルから、北陸新幹線の建設現場まで各地を視察。さらに運転シミュレーターや車両基地まで、日本の新幹線を余すところなく体験した。インド視察団が驚いた新幹線技術の数々…。そして同時に、その高額さに一旦は完全に腰が引けたことも。

しかし最終的には、コストの安い中国製ではなく、日本の新幹線を選んでくれたインドの好意と正しい評価力に感謝したいし、日本はそれに応じてインドとの友好関係をさらに発展させる用意がある。これは中国という危険な隣人を持つ日本とインド両国にとってウィン・ウィンのパートナーシップなのだ。

人材獲得競争にも注目したい。最高学府のインド工科大学(IIT)の学生は世界レベルの「金の卵」といわれる。ソフトバンクのアローラ副社長やグーグルのピチャイCEOもIIT出身だ。インドでは「IITに入れば人生が変わる」とも言われている。年に1度の就職解禁日には、熾烈な獲得競争が繰り広げられる。マイクロソフトやゴールドマンサックスなど世界の名だたる超大手企業が勢揃いし、中には新卒者に年俸2000万、3000万を提示する企業もいる。そこにソニーだけでなくシスメックスといった地味ながら世界トップレベルの日本企業も参戦していたのは大したものだと思った。