『知の巨人』が贈る青少年への真実の言葉

ブログ社会制度、インフラ、社会ライフ

朝日新聞の天声人語。ほぼ毎日読むが、この日曜のは格別だった。

冒頭に「『知の巨人』と形容させていただくことにする」とある。精神科医で神戸大名誉教授の中井久夫さん(79)についての文である。その凄い業績や文筆家としての活動、「恐るべき」子供だった様子に触れた後、全く筆先を変えて、中井さんが少年少女に向けて書いた異色の読書案内を紹介している。

いわく、教室で輝きすぎるな、一番になんかなるな。児童生徒の間にもやっかみはある。〈あなたは今花咲く必要はない〉。そして一目置く同級生を宝とせよ、と。

何とも適切で、なかなか普通の大人には言えない言葉だ。でも真実である。大人になると忘れてしまうが、無理して人間関係の背伸びをしたがる子供の心理に優しく添っている言葉だ。是非、子供たちに伝えたいものだ。

そしてもう一つ。思春期の男女への最高の読書に関する贈り言葉がある。〈読書は、秘密結社員みたいにこっそりするものだ〉。