「無水調理」で売るか、「自動調理」で売るか、シャープの新型調理鍋

ビジネスモデル

9/17(木)に発表されたシャープの電気無水鍋「ヘルシオ ホットクック KN-HT99A」(11月5日に発売予定)はなかなか興味深い商品だ。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150917-a.html

メニューをセットすることで、自動で火加減が調整され、無水調理できる電気無水鍋だ。店頭予想価格は6万円前後(税抜)とちょっとお高いが、非常に手軽、かつ試食した人達の評価が高く、そこそこ売れる予感がする。

無水調理とは、水を使わずに野菜などの食材に含まれる水分を活用した調理方法のこと。他にも幾つかの調理器があったはずだ。ホットクックでは、ふたの内側に施した円錐の突起「旨みドロップ加工」が、食材から出た蒸気を水滴にして鍋の中を循環させるという。無水調理では、食材の持つビタミンCや葉酸など抗酸化作用のある栄養素やミネラルを多く残せる、食材本来のおいしさを味わうことができるという。何より、水を加えないので水っぽくならず、野菜の水分だけが絞り出されるような感じで、おいしさが凝縮されるようだ。

それに加えヘルシオ ホットクックが搭載する「まぜ技ユニット」は、メニューに合わせて最適なタイミングで具材をかき混ぜてくれる。これがなかなかの優れものだ。さらに温度や蒸気センサーを内蔵しており、火加減の調整も全自動だ。煮物など85種類のメニューから調理を選び、食材をセットするだけで、食材の状況を見極めて自動で調理してくれる。

つまりおいしさと手軽さが両立するという魅力的な家電品なのだ。「無水調理」で売るか、「自動調理」で売るか、マーケティング部門では贅沢な悩みが生じそうだ。ここのところ明るい話題の少なかったシャープの久々の期待商品だ。